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角田範義 第18代附属図書館長
 (在任期間:令和2年(2020年)4月-令和6年(2024年)12月)

新しい生活様式の中の大学図書館とは

角田館長
 3月末まで, 和歌山高専の校長をしておりました。4月から4年ぶりに本学に理事・副学長として勤務することになり, 館長として図書館運営に携わることになりました。4年前も図書館長をしておりましたので大変懐かしく思っています。 しかし,4月の中旬から始まったコロナウイルスの感染予防にともない,図書館もその対象となりました。 そして,昔の図書館から電子・情報図書館としての機能が求められています。特に感染予防の対象から,人数制限をして閲覧を避け, 電子化による図書館業務を行う必要があり,図書館がもつ空間の共有が困難となっています。 ウイルスの騒動が終結した後の新しい生活様式に基づく図書館のありかたを注意深く見守っていきたいと思っています。
 今まで,大学図書館はその大学の顔であり,図書館を見ればその大学の様子がわかるといわれていました。 本学の図書館を見て皆さんはどう思われますか。多くの方が高専を経験されていますので,高専と比べてということになると思います。 高専でも,図書館あるいは図書室は学校の中でも別空間で,静寂の中,本をめくる音,普段とは異なる空間を味わうことができます。 これは,図書館でのみ味わうことができるものです。
 図書館は「知の泉」の役割を果たしていかなければなりません。生きていくための知恵や専門を深めること, これは,デジタル社会で容易です。皆さんが使用しているスマホはいつでも,どこでも必要なものを見つけ出してくれます。 ですから,以前,スマホがなければ知識は頭に残らないので,知識として残すためには紙の文章を読みこなすことが必要である旨を書きました。 その時,紙と画像であるスマホの文章を保存する脳は同じかと調べたところ,右脳と左脳に分かれており, スマホの使用により脳も活発化して知識が増すような内容でした。時代の変化で情報の提供され方がかわり, 脳の使われ方もそれに対応しているように思います。ですから,本を読むことだけが知識を得ることではなく, 多くの媒体を使って知的好奇心を増していく必要があると思います。コロナによる外出制限は,ある意味で, そのような時間を取れる機会の一つであるかもしれません。皆さんは,知的好奇心に触れるものが見つかりましたか。
 そして,さらに深めるため図書館を利用してください。見つからなかった人は,図書館に来て,図書館の雰囲気に触れ, 図書館の中から見つけてください。
 図書館は皆さんの来館を待っています。

令和2年5月
附属図書館長 角田 範義

(最終更新日:2025年1月10日)