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大貝彰 第17代附属図書館長(在任期間:平成26(2014)年4月-令和2(2020)年3月)

Library as “Digital” and “Active Learning” Space

大貝 彰館長
 第17代の附属図書館長に就任した大貝彰です。本学が開学して38年が経ちましたが、この間、図書館を利用するという概念そのものが大きく変化しています。私の学生時代は、自分の研究のテーマや方法論に関する国内外の文献を探すときは、まずは図書館に足を運び、1時間、2時間かけて調べ、必要ならそれをコピーして、研究室に持ち帰ってじっくりと読んで勉強する、といったスタイルが当たり前でした。図書館は教員はもちろん学生にとって自分に課された研究やレポートに取組む際に知的情報を得る「場」でした。そして、そのスタイルは、1990年代以降のインターネットに代表される情報通信技術の急速な発展により大きく変化することになります。皆さんのほとんどが自分の研究室あるいは自宅でパソコンに向かって図書館のデータベース検索機能を利用してさまざまな文献を調べ、学習や研究に活かしていることでしょう。あたかも図書館は知的情報を得る「機能」に特化したかに見えます。
 当然ながら、本学図書館では皆さんの学習・研究活動を支えるため電子ジャーナルや電子ブックの情報検索サービスや学術機関リポジトリの強化に積極的に取り組んでいます。もちろん、このことは図書館機能の強化に欠かせないわけですが、一方で従来からの知的情報を得る「場」を、新しい学習環境ニーズに応える場へ整備することも重要な機能強化の側面です。本学は、昨年12月にマレーシア・ペナン州に設置した海外教育拠点(ペナン校)を活用した長期インターンシップの実施など、世界で活躍できるグローバル指向の技術者・研究者の育成を目指しています。そのような人材に求められるコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、ディベート力を身に付ける「場」(space)を提供することは、図書館のもう一つの重要な役割ではないかと思います。その点で、現在の図書館は、本学が目指す人材育成のための学習環境ニーズにまだまだ十分に応えられていないのが実情です。
 以上のとおり、図書館利用の大きな二つの視点から、学生の皆さんの要望も聞きながら、電子ジャーナル等のデータベース検索機能等の強化による“digital space”の充実に加え、 ヒューマン・イノベーション創出のための“active learning space”の整備にも努めていきたいと考えています。


平成26年4月
附属図書館長 大貝 彰

(最終更新日:2020年4月1日)